【介護支援】ケアマネ試験から知識吸収(薬剤管理) その2


今日はお休みです。

天気もいいし気も楽ですね♪

今回は薬剤管理について考えたいと思います。
前にも同じ問題を解いたことがあるのですがすっかり忘れておりました。

今は5月。10月の試験の時まで覚えているのか心配ではあります。

その1はこちら

出題:正しいものを6つ選びなさい
 ①高齢者は服薬数が多いので、薬剤の相互作用や副作用が問題となる
 ②高齢者は肝臓での薬物代謝が遅くなり薬の作用が低下する
 ③栄養状態が良くない場合は、薬の作用が増強することがある
 ④高齢者では、副作用の典型的な症状が現れにくい
 ⑤痛み止めを常用者は、風邪や肺炎などによる発熱症状が強く出る傾向がある。
 ⑥薬剤服用の際は、できるだけ上半身を起こし多めの水で服用するとよい
 ⑦嚥下が困難で錠剤をのみにくい場合、すべてつぶして与えるよ良い
 ⑧薬剤管理指導の目的のひとつに、服薬コンプライアンスの向上があげられる。
 ⑨唾液分泌抑制作用の高い薬を服用している場合は、航空ケアにも配慮する必要がある
 ⑩健康食品や特定保健用食品は、薬剤の相互作用はないため、利用者への薬剤との併用について説明は不要である。

2問を一気に書きましたが、、

 正解は①③④⑥⑧⑨

 です。ちょっと横着して2問つなげました。

 ①⑩過去にも書きましたが、高齢者は比較的内服数が多いです。そして、健康食品や特定保健用食品だけでなく、特定の食品も薬剤に影響を与える事があり、相互作用でどんな効果があるのか。どんな副作用があるのかも注意が必要です。
 例えば、カマ(酸化マグネシウム)を飲むときに牛乳と一緒に飲むことや、ワーファリンに納豆、心臓系の薬に生グレ等それらの食品などが持つ物質が、互いに打ち消しあったり増強させたりします。

 全体的に高齢者の薬の効果は増強される傾向にあります。②の問である肝臓での薬物代謝速度が遅くなることにより、薬の血中濃度が増加します。

 ③の栄養状態が高くない場合には、そもそも薬は血中のタンパク質と結合してしまうと作用しません。栄養状態が少ないという事はタンパク質が少ないため結合してしまう想定の数値より作用する薬が多くなってしまいます。
つまり、通常以上に作用してしまうわけです。

 そして、副作用の問題である④ですが、あくまで副作用が現れにくくなります。副作用が出ていないわけでなく発見がしにくくなります。
 出ても老化や病気と判断され、気づいた時には手遅れに、、という危険性があります。

 副作用ではないですが、⑤の解熱鎮痛剤を服用していることにより発熱症状が抑えられ、風邪や肺炎などの発見が遅れる原因にもなります。

 これは正しいかは別として私の持論なのですが、介護ではバイタルなど数値上の情報は、普段の適正値を知っておき異常を機械的に発見する為のもので必要ではあるが、本当に病気やなんらかの異常を早期に発見するのは介護職員の目で「いつもと違うな」とか、そういった気づきをどう生かすかにかかっていると思っています。(うまく言葉にできたかは分かりませんが)

 バイタルが正常だから・・・ではなく、気づいた時にはなんでそう感じたのかを考えてみる必要があります。

 と、私の話は置いておいて、、、⑥は横になった状態や少ない水で飲むのではなく、きちんと起きたり、難しい方はギャッチアップなどで状態を起こして多めの水で飲むことが大事です。
 薬が食道にとどまるリスクを回避するためで、薬がとどまる事で、食道潰瘍を引き起こす危険があります。 魚の骨なんかも注意が必要ですね、、、

 じゃあ、⑦の全部潰して錠剤を粉にしちゃえばいいんじゃないの?となりますが、つぶしていい薬もありますし、つぶしてはいけない薬もあります。(カプセルを開けることも同様)
 溶け具合を計算していたり、製剤的な工夫がされていた場合に本来の効果がでない危険性があります。 (お薬の説明書にのっていることもありますが)
 まずは医師や薬剤師に相談の上、本人が一番安楽に効果の高い服薬管理をしてあげるのが良いと思います。
 そういった事や、用法容量など正しく服薬することが⑧の服薬コンプライアンスで大切な事です。

 最後に⑨の、唾液分泌抑制作用の薬を内服することで、唾液の量が減り、唾液の持つ効果が薄くなります。そのため口腔ケアはより配慮する必要があります。

 唾液の効果とは
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(1) お口の粘膜を潤し、お口を滑らかに(潤滑作用・湿潤作用)
お口の中には、硬い歯とやわらかい粘膜が同居していますが、しゃべったり、食べたりしても傷つかないのは、唾液がお口の中を潤しているからです。

(2) 消化を助ける(消化作用)
唾液の中には、消化酵素のアミラーゼが含まれています。アミラーゼは、糖質を分解し、体内に吸収しやすい状態にする酵素です。

(3) 飲み込みを助ける(咀嚼・嚥下作用)
唾液との混和で適当な食塊ができるため、飲み込みやすくなります。

(4) 生体を守る(生体防御のはたらき)
人体で外に開いている部分(お口、目、鼻など)には、外から浸入してくる細菌などを防ぐ役割をしている生体防御機能がはたらいています。唾液に含まれるリゾチームは、その役割をするもののひとつで抗菌作用を持った酵素です。リゾチームは唾液だけでなく、涙や汗、リンパ腺、鼻粘液、肝臓、腸管など、生物体内に広く分布していて、色々な細菌感染から生体を守り、生命維持に欠かせないものです。また、唾液に含まれるムチンなどは、菌を凝集させ、菌塊とし、口内から排出するはたらきをしています。

(5) 味覚
私たちは、主に「甘味」・「酸味」・「塩味」・「苦味」・「うま味」といった5つの味を感じとっているので、毎日の食事を楽しむことができます。これは、食べ物に含まれる味物質が、唾液の中に溶け込み、舌の「味蕾(みらい)」と呼ばれる味覚受容器に届けられることで、味を感じることができるからです。しかし、唾液がないと、潤滑作用がなくなって舌がこすれて味蕾がなくなったり、舌炎を起こして味蕾がはたらかなくなったりします。また、味物質もきちんと味蕾に届かなくなります。つまり、唾液がなければ、私たちは物の本来の味がわからなくなるという“味覚障害”に陥ってしまうのです。

(6) お口の中を清潔に保つ(洗浄作用、自浄作用ともいう)
唾液は、お口の中を洗い流す役目を果たします。だから唾液の分泌量が少なくなってしまうと、お口の中が汚れやすくなり、ムシ歯にかかったり、口臭が出たりしやすくなります。

(7) お口の中のpHを一定に保つ(緩衝作用)
唾液中の重炭酸塩(イオン)[HCO3−]のはたらきによってお口の中のpHを中性に保とうとするはたらきのことをいいます。特に、飲食後はお口の中が酸性に傾きがちです。酸性の状態が長時間続くと、歯が溶けてムシ歯になりますが、唾液のもつ緩衝作用によって、お口の中をいち早く中性に戻すことで、歯が溶けて、ムシ歯になるのを防ぎます。ですから、中性に戻す能力が低い唾液を持つ人はムシ歯にかかりやすいといえます。

(8) 酸によって溶けた歯を修復します(再石灰化作用)
ムシ歯菌が出した酸によって歯のカルシウムやミネラルが溶け出しますが、唾液にはカルシウムやミネラルを歯に補充し、修復するはたらきがあります。これを再石灰化作用といいます。この再石灰化作用が弱い人はムシ歯にかかりやすいといえます。
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 です。

 ついでに、唾液分泌抑制作用の薬にどんなものがあるか調べてみました。
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利尿剤 マニトール、フルイトラン、ラシックス等
抗コリン剤(鎮痙剤) アトロピン、ブスコパン等
抗ヒスタミン剤 ポララミン等
制吐剤 塩酸メクリジン、トリエチルペラジン等
鎮咳去痰剤 塩酸クロルプレナリン等
抗パーキンソン剤 アーテン、アキネトン等
向精神薬 抗うつ剤、MOA阻害剤、トランキライザー各種

筋弛緩剤 塩酸トルペリゾン、クロルメザノン等
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等があります。

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